月曜日, 7月 16, 2018

教育:小中高校が変わる、AIを読み解く

前回のポスト、小中高校が変わる、文科省の意図を読み解くの続きです。


私は「教育」についてはズブの素人です。

前回のポストのあと、数時間で瞬く間にページビューが積み上がりました。書いた私がビックリしました。それだけ関心が高いんだなと感じました。

そこで、このポストを拡散してはどうかと思い、教育に関して自由に発言できるSNSやコミュニティーが無いものかとグーグル先生に聞いてみました。帰ってきた答えは「そんなのありません」でした。

見つけたのは、ベネッセのような利益集団に紐づけされた「売るため」のものばかりで、


顧客、つまり生徒・学生・保護者を満足させるという考え方はありません。


私は教育はサービス産業だと思っています。それも人材育成のサービス業です。本来沢山のお金がかかるこの教育というサービスを、納税者全員で広く薄く支えています。

小学生、中学生、高校生、1人当たりいくらかかるのかは、財務省のHPに書かれています。

財務省キッズコーナーに金額がありました。

小学生 84.8万円/年
中学生 97.9万円/年
高校生 91.3万円/年

これには、教科書代を始めとして、校舎の設備費、教師の人件費、備品などすべて含まれています。

生徒一人当たり、ざっくりと見て年間百万円弱の税金が注がれています。

子供は国の礎です。彼らが国の将来を支えていきます。それが出来るように、納税者全員で彼らを支えていることが分かりました。


日本の教育界を私はよく知りません。しかし、上記のような閉塞感は、この業界の閉鎖性を示していることを感じます。

元来、教師という職業は先生、つまり路先を示す人、未来へ導く人、そういう意味があると思います。


予備校の実力を思い知った



父が亡くなる数年前に、いきなりビルを建てると言い出しました。

その経緯は下記のポストに示していますが、建てたビルには予備校が入ることになっていました。
 
 前回のポスト:教育:小中高校が変わる、文科省の意図を読み解く


これがその予備校です。静岡に拠点を置く佐鳴予備校です。



佐鳴予備校 HP: https://www.sanaru-net.com/


私は自分の大学受験も含めて、予備校の経験が無いので、予備知識は皆無でした。そこで、良い機会なので最新の予備校がどういう風に授業をしているのか、実際に授業を体験してみることにしました。

それは想像を超えたプロフェッショナルなシステムでした。

学校教育のように「ここ試験に出るから覚えておくように」などという甘いことを予備校教師は言いません。単元時間をフルに使って、いかに生徒に受験に必要な知識と記憶を植え付けるか、覚え込ませるか、ビジュアルや動画をフルに使って記憶中枢に刷り込みます。

まるで映画マトリックスでネオが首の後ろにケーブルをつなぎ、知識を注入するのに近い感覚だと思いました。これにはもう脱帽です。感心を通り越して、芸術です。このやり方だったら、普通の頭脳を持つ高校生なら、自分が思っているよりも確実に上位の大学に合格するだろうと確信しました。

知識詰込み、覚え込ませることを「教える技術」と呼ぶのなら、学校教師より予備校教師の方が10倍どころか100倍優れていると感じました。受験に特化しているので、当たり前と言えば当たり前です。少し大げさかもしれませんが、目から鱗が出るような、そのビジュアルかつ効率的な記憶の定着のさせ方、刷り込み方は一長一短で築き上げた物ではないことは明白でした。



AIの実力を知る、東ロボくんを知る


さて、これが今の予備校の実力であることが分かりました。レベルは相当高いです。当たり前ですね。商売だからです。顧客満足度をきちんと押さえています。


試験学科の答案をグーグル先生に聞いてみて、あるいはAIで解かせてみて、結果はどうでなるでしょう。恐らく、国語は読解能力以外はイケるでしょう。数学はAIのお手の物、物理や化学もも同じです。歴史はどうか、もう言う必要が無いでしょう。

いまは東大合格がちょっと難しいかもしれませんが、将棋やチェスで、既にAIに棋士が勝てなくなりつつあるように、超速で学習するAIは、そう遠くない将来人間を凌駕する知識を身に着けるでしょう。


東大受験ロボット「東ロボくん」の開発者、新井紀子氏はTED※で危機感を語りました。



AIで東大目指した「東ロボくん」開発者がTEDで語った危機感

※TEDとは:世界中の著名人によるさまざまな講演会を開催・配信している非営利団体。世界の知識人が審査を受けた上で年会費8,500ドルを支払って会員になり、世界に向けて己の知恵、実績、主張を展開できる英知溢れるの講演会のことです。



そのTEDでの新井紀子氏の講演のビデオ(13分半)はこちらで見ることが出来ます。

英語で新井氏は語っていますが、日本語字幕が付けられていますから、どなたでもご理解いただけると思います。また、ビデオの下に翻訳の全文も掲載されています。

私が驚いたのは、このくだりです。

「東ロボくんの小論文は たいていの学生のものより出来が良かったんです」

数学は上位1%に入っています。

確かに昨年は合格に足りなかったかもしれません。しかし、新井氏も認めているように、これは時間の問題です。

時間の問題なら、試験の問題をAIに不向きな様に変えるしかありません。

そう、賢明な出題者なら、AIが解けないように問題を変えるでしょう。しかし、これをやってしまうと、生身の生徒が問題を解けなくなってしまうという事態が発生すると新井氏は言います。


現在レベルのAIについて、ズブの素人でもここまで分かりました。3時間の作業です。

2017年は東大に合格しなかったかもしれない。しかし東ロボくんは上位20%の成績を収めているという事実から目を逸らすことはできません。つまり日本の最高学府であっる東大を受験した全受験者の80%は東ロボくんよりも劣っていたというのが事実なのです。

東大よりも下位の大学だったらどうか、考えるまでも無いでしょう。



最後に司会者と新井氏がとても示唆に富む会話で、このセッションを締めています。


【司会者】あなたの話は AIがどのように考え 何がうまくでき 何ができないのかという感触を すごく見事に 伝えてくれました 私が正しく理解しているなら 人間がAIよりも うまくできることについて 子供達を助けられるよう 教育の変革を急がねばならないと お考えなんですね

【新井氏】その通りです 私たち人間は 意味を理解することができます これはAIに すごく欠けている部分です でも多くの生徒は 理解せずに ただ知識を 詰め込んでいます それは知識ではなく ただの暗記で AIでもできることです だから私たちは新しいタイプの教育を 考える必要があります

AIが勝つか、人間が勝つか、そんな次元の話をしていてはいけないと私は理解しました。

2017年は東大に合格しなかったかもしれない。しかし東ロボくんは上位20%の成績を収めているという事実から目を逸らすことはできません。つまり日本の最高学府であっる東大を受験した全受験者の80%は東ロボくんよりも劣っていたというのが事実なのです。

東大よりも下位の大学だったらどうか、考えるまでも無いでしょう。

確かに昨年は合格に足りなかったかもしれません。しかし、新井氏も認めているように、これは時間の問題です。

時間の問題なら、試験の問題をAIに不向きな様に変えるしかありません。

そう、賢明な出題者なら、AIが解けないように問題を変えるでしょう。しかし、これをやってしまうと、生身の生徒が問題を解けなくなってしまうという事態が発生すると新井氏は言います。


現在レベルのAIについて、ズブの素人でもここまで分かりました。下調べも何もない状態から、3時間の作業です。

57歳、兼業主夫のネットリテラシーのサンプルだとお考え下さい。




先ほど(5月6日18:15~30)、NHKのラジオでAIについての番組を聴いていました。題目は、

仕事学のすすめ AIでビジネスはこう変わる「未来のAI像を探る」

です。シリーズ化されていて、聴き逃がした回はアーカイブで聞くことが出来ます。

仕事学のすすめ HP:http://www4.nhk.or.jp/shigotogaku/


その中で、AIが何かできるようになれば、それをAI自身が作ることが出来るようになる、という趣旨の事をビジネスコンサルタントの山崎将志氏が語っていました。

なるほど、つまりこれの意味するところは、人間の知識を凌駕したAIは、同等の高度なAIを自分で作ることが出来るということです。

これに衝撃を受けない人がいたら、即刻このブログを閉じてください。あまりの危機感の無さに、これ以上のお相手は出来ません。大変失礼ですが、その程度のリテラシーの方は、三河屋幾朗のブログに来ていただく必要なありません。

ただ、これからも私と一緒にこの分野を知ろうという方なら、大歓迎です。





アパレル業界と比較してみる



とんでもなく飛躍します。敢えてその方が分かり易いと思って続けます。

今の教育がだんだん分かって来ましたが、まだまだ序の口です。

先のブログでフィンランドの例を示しました。

私たちは何をやっているのか、何か間違ったことをやっているのではないか、不安になります。





これは硬直したアパレル業界と同じ体を成しています。この本を読んだことがあるでしょうか。

誰がアパレルを殺すのか


DCブランドで大もうけしたアパレル業界は、その成功体験から抜け出せずに、作り元、企画する側、売る側、全てが断絶していて、それゆえに全員で思考停止に陥り、いまや見るも無残な状態にあります。筆者は丁寧に事実を拾い、インタビューを重ね、問題の本質を見事に浮き彫りにしました。インターネットを武器にEC(ネットで買物をすること)新興勢力が、売る、買い取る、再販する、という循環システム(エコシステムと言います)を確立して、旧態勢力を駆逐し始めています。

誰がアパレルを殺すのか
誰がアパレルを殺すのか
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杉原 淳一 染原 睦美
日経BP社
売り上げランキング: 4,089

ZOZOTAWNをご存知でしょう。彼らはZOZOスーツという個人のカラダ全体を測定するスーツを無料で配布しています。これにより買う側は自分の体のサイズを把握できるだけでなく、日々の変化を数値で見ることが出来ます。

ZOZOTAWNについてもメリットがあります。

驚くことに、ZOZOTAWNは、この個人体形データーを基に、一人一人に最適なサイズの服を用意し始めました。これは革命です。もうジーンズを試し履きする必要はありません。裾上げすら必要ありません。ネットでポチっとすれば、自分のカラダに完璧にフィットした服がピンポーンのチャイムと共に届きます。

こうなっては百貨店を含む小売りは完全白旗です。

エバーレーンの例を本の中から拾って見てみましょう。全米で2店舗しかないのに30億円以上売り上げていると言います。彼らのやり方は驚きに値します。

お客はエバーレーンのHPで服を見て、気に入ったものを試してみたいと思います。彼らのお店に行って商品を受け取り試着室に直行します。お店はショールームでしかなく、レジもありません。

お客はその場でタブレット端末に自分のアカウントでログインして、購入決裁を済ませます。恥ずかしいお店の大きな紙袋など持たずに帰宅します。早ければ2~3時間で自宅にピンポーンと届くと言う仕組みです。

彼らの更に驚く点は、すべてのコストを開示して売っていることです。生地代、人件費、流通コスト、関税、そのほかの費用、これらを原価と言います。それと儲け。これを開示して売っていると言うのです。すごい。

生産工程も向上の詳細をつまびらかに商品ページで見せ、働く人の労働条件に配慮していることもアピールする。昨今の新興国の労働搾取問題に対応した心配りです。買う側からすると、安い賃金で犠牲を払って作られているのではないという安心を買えます。

こんな商売が出来るのは、


  • 品質に自信がある
  • 製品に自信がある
  • ブランドに自信がある
  • 他はだれもやってない


あなたがお客であれば、心を鷲掴みにされるでしょう。


教育にもこういうオープンな視点が必要だと思います。前回のポストでお見せしたフィンランドの教育ビデオの中で、彼らは語っています。お金を稼ぐことが教育じゃないと。

ポイントはここにあると思います。自分も子供を育ててきて、家庭の二大出費のひとつが教育であることは身に染みて分かりました。

 参照:ダブルインカムからシングルインカムへ その1
     ダブルインカムからシングルインカムへ その2



だれか「誰が教育を殺すのか」を上梓してくれないかなと思うほどです。




ではでは@三河屋幾朗

参考



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