追記:2019.5.9(文末参照)
2019年4月から労働基準法の一部が改正されて施行が始まります。
内容は「有給休暇の義務化」です。通常の江東区職員なら年間10日以上の有給を取得できます。妻は繰り越しを含めてマックスの40日を毎年消化できずに捨てています。
ブラックです。保育の現場はブラックです。夕食時に出てくる職場での話は耳を疑います。休みは取れません。いくら生き物(失礼)扱っているからといって、法律で許されている有給取得が出来ない、それも江東区職員、公務員が取れない、そんなことがあって良い訳がありません。
そこで、江東区の保育課にメールを送りました。以下全文です。
* * * ここから * * *
『4月からの江東区職員保育士の有給休暇取得に関して』
法律が改正されて、有給取得が義務化され、有給休暇を取得させないとひとり当たり30万円の罰金が科せられることになりました。私の妻は江東区で長年職員として働いていますが、全然、有給が取れません。また、日々、「保護者対策」と称するマネージメントの欠如した仕事の仕方で遅く帰ってくることが繰り返されます。ここで施行される最低5日という有給日数も、現状では自由に取れません。
夫婦で休みの相談をするとき、決まって返ってくるの答えは「毎日ナマもの扱ってるんだから有給なんて無理に決まってるでしょ!」です。だったら、生鮮食品を扱っている業界は、有給休暇をとれないのでしょうか?
今回の法改正はとても良い機会なので、今年付与される有給休暇は「全て」使い切るように、妻には告げています。家族の問題なので、コトは深刻です。
また、江東区の保育士職員復職採用の冊子「おかえり保育士」を見るとバラ色のようなことが書かれています。そこには給与のことは書いてあっても、有給休暇については書かれていません。新卒採用ですら福利厚生の説明はキチンとします。敢えてそこに触れないことに、ブラックさを感じます。
「東京都は、変えていく。保育士を、一生の仕事へ。」
すばらしい。必ずそのようになるようにしてください。こちらは監視します。この冊子の中にある平井明日香さん、近藤景子さんをお訪ねして、有給休暇取得状況をお聞きします。
妻は江東区に勤め始めて数十年経ちます。有給休暇取得で夫婦間で揉めるのは、もう御免です。もう「ブラック」は止めましょう。江東区から止めましょう。
このようなメールをお送りすることは本望ではありません。
参考までに申し上げますが、私は外資企業にエンジニアとして勤めておりました。結果が全ての欧米企業において、日本企業とは比較にならない厳しい結果を常に求められ、出来なければ事実上の解雇となる仕事に日々追われておりました。しかし、それでもその年の年次有給休暇はすべて取得しておりました。それが社内の常識だったからです。年初に日数分の休日をカレンダーに書き込み、上司に提出して、上司はそれを受理しました。外資企業と言えどもオフィスは東京にありましたので、上司は日にちをずらす権限は法的にあっても日数を減らすことはできませんでした。
全てはマネージメントと業務システムと意識の問題です。絶対やる、と決まっているなら必ずそうなります。中から意識を変えないと、変わるものも変わりません。出来なければひとりに付き30万円の罰金が事業所に科せられます。それは江東区の税金から賄われます。住民としてそんな余分な出費は認められません。江東区職員が100人いれば3千万円、1000人いれば3億円の罰金です。「絶対ダメです」。そんな税金は払いたくありません。あなた方の給料は税金から支払われているのですから。
私が勤めた海外にある本社での勤務では、上司がその有給休暇の日付をずらすこと、それすら許されておりませんでした。出せば所定の日数以内なら全てOKでした。すぐに日本がそのように変わるとは思っておりませんが、役所が率先して模範を示すべきであることは、昨今の保育を巡る環境を見れば言い逃れできない待ったない状況であることは、そちらが一番理解していると思います。
政府が働き方改革に本腰を入れ、世界最低レベルの年次有給休暇取得率と報道されています。「厚生労働省が2018年に行った有給休暇の取得率調査によると、1年間に民間企業の労働者に与えられた有休は1人あたり平均18.2日だったが、実際に取得したのは約半分の9.3日に留まっている。」と2,019年月6日付のヤフー!ニュース(文末参照)には書かれていました。
江東区にとってとても良い機会です。日本の中で他に先駆けて働きやすい環境を職員に提供し、それが全うできる効率的かつ能率的なシステムを築くことが出来たならば、全ての自治体が、あるいは政府が江東区を模範とするでしょう。
「そんなのできない」と愚痴を言うのなら、それは子供を育てる時に子供をスポイルする親の言葉と同義語です。昨今は保育の質が変わって、子供の世話をするよりも親の世話の方にエネルギーが必要です。それを毎日夕食時に聞かされます。ベテランであればあるほど、年長者であればあるほど、物事の矛盾、システムの不合理を個人で受け止めざるを得ない状況です。
あちこちで子供が虐待され、死人が出て国会で取り上げられるまでになってしまいました。原因はいびつな社会構造にあると思いますが、現場で子育てに邁進する各御家庭をケアする保育士に、きちんとした法的対応をして頂きますよう、4月を前にしてお願い申し上げます。
なお、お答えは報道機関に送る可能性があることを念頭に置いてお答えください。
また、職員(妻)を特定するような行為が見受けらた場合は、法的措置に移りますのでご了承ください。
ご回答、宜しくお願い致します。
敬具
参考:「4月から“有給休暇の義務化”をご存知? 会社がこんなことをしたら要注意!」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190306-00010001-fnnprimev-life
* * * ここまで * * *
上記の参考にあるヤフーニュースの元のソース(FNNPRIME)には、次のように書かれています。
- 労働者も企業も「有給の取得義務」を知らない?
- パートやアルバイトは影響大の可能性
- 日本の有給取得率は世界最低レベル
- 労働者・経営者にできること
- 「休暇・休日」を「有給」にすり替える”ブラック手口”に注意
- 休みやすい社会の実現には「みんな有休をとること」
一部の経営者を除いて、納得できる見出しと、その中身のコンテンツだと思います。
出典:FNNPRIME 2019年3月6日
私は不合理なことがあれば道理を通して国交省にも直接電話する人間ですから、今回は不合理の相手である江東区の行うべき対処が簡単です。法律順守だからです。
参考:叱る時は 叱る 国土交通省に電話する
ならぬことは、ならぬものです。福島でボランティアをしたことのある人、福島を知っている人、大河ドラマでこの言葉を聞いたことのある人、ならぬことは、ならぬ、のです。
この言葉の意味は、「ダメなものはダメ」ではありません。「掟に従って納得できないことも従いなさい」という意味です。会津藩の「什の掟」からきています。
ここで敢えて言いたい、掟がある、それが変わった、まだ多少不合理な部分も残ってる。でも変化の第一歩は踏み出した。だから掟に沿って仕事しましょう、それに沿って組織とシステムを変えましょう。気付いた今、たった今から変えましょう、そう言いたいのです。
早く負のスパイラルを断ち切って、欧米各国に引けの取らない労働環境を獲得しましょう。それが今まではできなかった日本だから、私は外資を選びました。誰もがそれを出来るとは思えません。だから、日本として、国としてこの問題に対処する絶好の機会なのです。
江東区の回答は、届き次第ここにポストします。回答を心待ちにしています。
ではでは@三川屋幾朗
追記:2019.5.9
痛ましい事故が起きました。頑張っている保育士さんを励ましたい。妻に聞くと、園外保育はことのほか気を遣っているとのこと。そんな中での事故は、あまりに痛ましく、心が引き裂かれる気がします。待機児童という名の強烈なプレッシャーの犠牲者になって休みが取れない保育士さんの待遇改善を切に希望してこのブログを送ります。これは決して江東区を攻撃しているわけではありません。共にアイディアを出し合って、解決策を出す会話の起点にしたいのです。
この質問状を江東区に送った後、公式文書で返事がありました。いまそれを次のブログとして作成中です。もうしばらくお待ちください。
追記:2019.5.9 その2
ブログが出来上がりました。回答を公開いたします。
江東区への手紙:保育士ブラック、もう止めましょう2:回答が届きました
特に参考:
日本の労働生産性を上げる10の方法:脱社畜のススメ(さらに、さらに更新)シュフばんざい: 「年休消化率向上」宣言
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