なぜ 安倍晋三氏は これほど長く首相を続けられるのでしょうか?

これまでの品位を欠いた国会発言の数々

「李下に冠を正さず」に反する忖度三昧の政府と官僚。

その責任をないがしろにする日本国の首相、安倍晋三氏

なぜこれ程の「国難」とも思われる宰相の登場にも関わらず、第一期、第二期と長期政権が維持できるのか。その理由は何なのかを、平成最後の日の記念として記しておきたい。

出所:Wikipedia

理由は簡単です。この人材は、官僚と「キングメーカー」からすると極めて使い易いからです。

5つの理由をあげます。


学歴 については相当の劣等感があるようです。父である安倍晋太郎から「東大へ行け」と言われても学力が伴わず、無理。成蹊小学校~成蹊大学のエスカレーター試験無しの学歴です(ちなみに兄は東大大学院へ進学しています)。仕方なくを付けるために留学したがモノならず、帰国して神戸製鋼へ嘱託で入社。経歴からも「留学」は抹消(著書の「美しい国」の初版には記載されたが後に抹消。自身のHP経歴からも留学の記載は抹消)。

政界入りは、国家公務員⇒政治家秘書⇒親の地場を引き継いで出馬するというゴールデンルールが、二世議員、三世議員の通例ですが、学力が低くて国家公務員試験が無理だったので、神戸製鋼の嘱託社員(のちに正社員)から父の秘書になりました。

国の根幹で働くとき、学歴というのは極めて大きな影響を及ぼします。また働く人たちの間に高いヒエラルキーを生みます。一般人には想像もつきません。これは良いとか悪いとかの問題ではなく、それによる学歴マウンティングが、組織階層化や組織内戦略で極めて有効であるからです。

その一例を示しましょう。

かつての民主党の首相であった鳩山由紀夫氏は、スタンフォード大学博士課程卒です。これは並み居る官僚たちには頭痛の種でした。東大卒だろうが京大卒だろうが敵わないからです。学歴で人を見る官僚には目の上のたんこぶで、仕事がやりづらい。学歴が上の人間には逆らえない。だから、早くいなくなってもらいたい。それで早々に失脚しました。いや、させましたと言う方が分かり易い。

官僚はこういう策略が実に上手です。それが自分の生き残りに直結するからです。

ゆえに安倍晋三氏は学歴にコンプレックスが有るので、周囲に東大卒を置きたくありません。閣僚名簿を見れば、東大卒の少なさが分かります。


さて話を元に戻しましょう。

血統 においては僚友の麻生太郎氏との関係が如実に物語っています。

こちらが理解の参考になると思います。

 劣性遺伝三代目(加筆)


自民党、野党の件に関しては毎日のニュースが示していますので説明は省きます。


日本国外での波乱が大きすぎる という件は説明が必要でしょう。

日本では安倍政権は中道右翼として位置づけられると思いますが、右翼化がどんどん進む欧米から見ると、極めて安定した政治と経済を維持し、難民問題も無い日本は中道左派なのです。そして、野党は欧米から見ると右翼です。

これが面白い。そう見ることは、いまのマスコミに刷り込まれた井の中の蛙ニッポンでは不可能だと思いますが、日本の外から見ると、実はそうなのです。だから諸外国から見ると日本は羨ましい国です。

確かに貧富の問題や、自殺者、少子高齢化などの深刻な問題はありますが、命にかかわる驚異はありません。飢える人や夥しい路上生活者もいません。世界から見ると安全かつ魅力的な国です。その証拠に毎年1000万人単位で外国人旅行者が増えています。




A級戦犯・元首相 岸信介氏を祖父に持ち、その祖父に心酔しきっていたと言われる安倍晋三氏が、その祖父の誹りをぬぐいたいが為の改憲(自民党の結党の元は自主憲法制定)、そしてその「汚名」をどうにかしたいというあがきが見て取れます。その辺りはこちらを参考にして下さい。

安倍首相が心酔するおじいちゃん・岸信介の戦争犯罪! アヘン取引でブラックマネーを集め戦争を遂行 - 本と雑誌のニュースサイト/リテラ



また日本会議の存在も困りものです。古いニッポンに戻したいという彼らの主張は、勝手にやってくれるだけなら右翼の宣伝カーと同じですが、シンゾー・アベ氏を筆頭に、国会議員の多くが日本会議のメンバーであるという隠せない事実が不気味です。

海外ではこの「異常」な集団である日本会議が度々報道されます。しかし、日本は報道管制されているのかニュースには、ほんのたまにしか出てきません。まるで急いで消しているような印象です。

国会議員の4割が参加する謎の団体「日本会議」とは(クーリエ・ジャポン)

こういう、戦前ニッポンを是とする人達がまだ沢山いる、そしてその一部が首相と取り巻きをやっているという事実に戦慄を覚えます。

日本会議についてお知りになりたい方は、こちらをお勧めします。


第二、第三の シンゾー・アベ は誕生する


このように、使いやすいからこそ長期化する政権。これは戦後の日本の政治を見れば、同様のことが起こっていることが解ります。

一般市民には分からない「キングメーカー」は、この夏の総選挙の後に新たな首相を選ぶでしょう。そこには政治という独自の力学が働いて、目に見えない形で宰相は選ばれるのでしょう。

その宰相を生む責任は有権者にあります

自民党に投票しなければ、安倍晋三氏は首相になることは無かったのです。つまり、回り回って私達が彼を選んだ。それは誰も頼んだわけでもないが、そうなってしまった。その要因を作ったのも私達有権者です。それが現代日本の立憲民主主義です。

夏の選挙に誰を選ぶか。どの政党に投票するか。

これは一人ひとりの判断に委ねられています。

日本の人口動態は、言うまでもなく圧倒的に高齢者にウエイトがあります。

総務省統計局のデータを以下に分かりやすく示します。




高齢者は投票へ行きます。すると投票してくれた人、つまり高齢者に政府は重点的にへ政策を作ります。当たり前です。自民党のお得意の言葉「民意がそう示された」からです。

この高齢者支配に目をつぶる訳には行きません。40歳以下の世代に予算を振り向けないと、この国の将来は危うい。IMFは数年前から警告を続けています。高齢者の投票数に係数をかけて割合を下げるように提言しています。

長生きさせるのは良いけれど、国はそれでは発展しません。そのうえ日本人は簡単に死ねなくなりました。病院と医師によってとことん延命させる仕組みになっているからです。自宅の布団の上で死ぬのは至難の業です。

政治家の役割は、突き詰めていけば「お金の配分係」です。

どの世代に重点的に予算配分するか、だれが未来の日本を担うのか、もう自明の理です。しかし、一番割を食う40歳以下の世代が、何故か物言わない。安倍氏を支持する層の多くが20歳台にあることに驚きを感じます。

これもやむを得ない面があります。


なぜ20歳代は安倍政権を支えるのか?


今後一番損をすることが予想される今の20歳台が、なぜ現政権を支持するのか。

理由は簡単です。

日本はバブル後、ITバブルもあり、さらに米国テロ911の追い打ちを受けて失われた20年を過ごしました。その後、10年かけて株価を半分近くまで戻しました。下の株価がそれを物語っています。

株価は戻っても物価は変わりません。日本はデフレです。その間、諸外国はインフレを続けました。つまり、日本の外と日本の中では物の値段が大きく変わって、「日本は安い国」になったのです。



出所:楽天証券経済研究所が作成


バブル崩壊とデフレにより就職率は下がり続け、就職氷河期がやって来て、若い人は何十社面接をしても一向に就職が決まらないという状況が長く続きました。

そこで誕生した第二次安倍政権です。「黒田バズーカ」で日本銀行が株式市場に国庫から直接お金を注ぎ込むという金融の禁じ手、前代未聞の金融政策により、意図的に株価は跳ね上がりました。これが安倍政権が自慢する政策のひとつです。

これにより、企業は息を吹き返し、決算報告は過去最高を連続して記録し、失業率は改善し、いまや人手不足へと逆の状態になりました。

しかし問題が残りました。貧富の差です。正規労働と非正規労働、そして男女雇用均等法を無視したかのような性差別、それを助長する教育機関という問題です。

非正規労働というシステムを小泉政権から導入したため、いびつな労働市場が出来上がってしまいました。企業は過去最高の内部留保金、つまり社内にお金をガッポガッポと貯め込み、それを外には出しません。痺れを切らした政府は内部留保金を使わないと税金という「罰」を与えることにしました。それでも状況は改善しません。

なぜか。

簡単です。従業員にはお金を払いたくないからです。働くひとにお金を払っても株価は上がりません。むしろ下がります。自社株買いという株主還元の方が、株価が直ぐに上げられるので経営者には「お得」です。これが経営者心理です。会社の外にお金は使って、会社の中には餌をやらない、これが「日本の理想的な企業経営」となってしまいました。

あまりの酷さと、社会からの批判に耐えかねて、とうとう重い腰を上げた政府は、働き方改革の名のもとに政策を次々と打ち出し、法律として施行し始めました。

参考:働き方改革関連法施行 小泉進次郎「働く楽しさ実感を」

少し脱線します。

私が就職した1983年、お昼ご飯は500円が目安でした。それから36年経ちました。「ワンコインランチ」に象徴されるように、今もお昼のコストは変わりません。新卒の初任給もさして変わりません。その間、日本の外では給料が上昇し、物の値段は上昇しました。逆に、日本の中では全てが下がり続けました。

だから、インバウンドで外国人が日本に押しかけるのです。日本は安い国なのです。

安全面で気を遣う必要もありません。人々は親切です。東京オリンピックに向けて政府が強力に推し進める「おもてなし日本」によって、外国人の受け入れ方もだんだん身についてきました。加えて外国からは魅力的かつ高品質な製品が手頃な値段で手に入ります。日本は「安全」「高品質」「優しい」かつ「安い国」なのです。

話を戻しましょう。

作為的に作られた株価、忖度する政府と官僚、これが私達が選んだ現実です。

夏には選挙があります。恐らく総選挙は衆参同時選挙になるでしょう。消費税増税は凍結されるでしょう。そうすれば自民党は選挙に勝てるからです。

私達には、再び選ぶ権利が与えられます。選ぶのは私達です。


一般常識に囚われず、自分で探して、自分で判断する。

現代人に最も求められている能力は、今までの学校教育の「答えが用意された設問」ではなく、答えのない問題に対処する能力です。それが現代人に求められる、なおかつ生き残るためのインテリジェンスです。


英国人ジャーナリストが語る「統計不正」の本質 問題はなぜ解決しないのか?
(ハフィントンポストより)

参考になりましたら幸いです。

追記:2019.7.5

参議院選が始まりました。新聞社各社により争点が示されています。

  • 消費税増税の是非
  • 憲法改正
  • 年金・老後不安
  • 外交・安全保障
  • 雇用・人手不足

選ぶのは私たち納税者。間違っても「選ばれ死」になりませんように。


こちらも参考になります。
「安倍政権を褒め称える」(三河屋幾朗)



追記:2020.4.23追記

これを投稿してから1年経ちました。その後のコロナ禍で世界の激動の変化の中に私たちはいます。まさに歴史に刻まれる2020年という只中に居るのです

日本という国、その国のリーダー、安倍晋三氏。この人が末節を汚さず「あの国賊にして戦後最長政権の首相」と罵られないように、私は人として、彼あるいは彼の心ある取り巻きが、Quoraで回答したこれを読むことを勧めます。心から勧めます。

安倍総理の支持率が苦しいようです。あなたがこのコロナ騒動で、誰か1人、人気者を安倍さんの補佐に回せるなら、誰にお願いに行きますか?に対する三河屋 幾朗 (Ikuro Mikawaya)さんの回答



ではでは@三河屋幾朗






コメント

  1. > その宰相を生む責任は有権者にあります。

    まさにおっしゃる通りですね。

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  2. これが私達が選んだ現実です。

    まさに、私たちが選んだ、と言えます。
    しかし。

    そう言う「私たち」に、
    教育された、とも言えます。

    愚民化政策。

    今の、日本の教育はまさに、この言葉にぴったりだと
    私は考えています。

    教育によって、
    そのような「私たち」に仕上げられた。

    この意見。
    いかがでしょうか。

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    1. コメントありがとうございます。
      自民党が望む方向に「教育」されたことは否めませんが、
      それを疑ってかかることをしなかったことも否めません。
      気付いた人から、変わることが出来ると思っています。

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  3. 大統領制じゃないから有権者が総理を選んだわけじゃないんだが・・・

    議員を選ぶにしても、のどが渇いているときに「タバスコ」と「ラー油」好きな方飲んでいいよと言われ、やむなく一方を選ぶような選挙だからなぁ・・・・・

    選挙に「マイナス票」でも導入して、選びたい人がいないときには絶対に当選してほしくはない候補者にマイナス票を投票するようにでもすれば、投票率も上がるし不適切な者を排除しやすくなるんじゃないかなぁ・・・・

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  4. コメントありがとうございます。
    おっしゃる通り、首相はすげ替えが直接できませんね。
    でも、正当のすげ替えは出来ます。おっしゃる様にタバスコか、ラー油か。
    れいわ新鮮組という選択(彼らが主流派には成り得ないので)でお灸をすえることもできます。

    まずは司法に鉄拳を入れる、つまり最高裁判事は信任しないところから、司法独立を無視した現政権ベッタリの輩に鉄槌を。

    そのうえで、政権維持が危ういところまで自民党を追い込むことが民意ではないかと思います。

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    1. おっしゃる通りレイプ事件の問題も含めて司法も何とかしなければならない状況ですね。
      死刑におかしな基準を作っているから死刑にならない程度に人数を考えて殺人をして無期懲役になろうなんて殺人者が出てきました。
      こんなおかしな基準ではなく、一人でも殺したら死刑としていたら殺されずに済んだだろうと思うと司法のおかしな基準が殺人を引き起こしたとも言えそうです。

      首相が公私混同しているから、官僚もIPS細胞の研究予算を自分の裁量で自由にできるなんてとんでもない思い違いをしています。
      まして、不倫旅行のついでにそんなバカなことをやるなんて言葉もありません。
      是非、野党が協調して、タバスコでもラー油でもない清水を提供して頂きたいと思います。

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